手軽に格好良い構図とポーズを作るプロンプト
私は定期的にTwitterの #AIイラスト タグを眺めているのですが、『綺麗な背景に美少女+ちょっとしたポージング』が大多数を占めます。
おそらく、そういう状況から抜き出してもっと評価されたいと思っている人は多いのではないでしょうか。
今回はプロンプトだけで出来る、目を引きやすい凝った構図作りの基礎を説明していきます。
格好いいポージングや構図はSNSでも映えやすいわ
設定情報 | |
---|---|
prompt | best quality,high resolution,unity 8k wallpaper, masterpiece |
Negative prompt | (worst quality, low quality:1.4), (realistic, lip, nose, tooth, rouge, lipstick, eyeshadow:1.0), (dusty sunbeams:1.0), (abs, muscular, rib:1.0), (depth of field, bokeh, blurry:1.4),(motion lines, motion blur:1.4), (greyscale, monochrome:1.0), text, title, logo, signature |
Steps | 28 |
Sampler | DPM++ SDE Karras |
CFG scale | 9 |
Seed | -1 |
Size | 512 × 786 or 786 × 512 |
Model | hassakuHentaiModel_v11 |
Clip skip | 2 |
まず基本として『dynamic angle』と『dynamic pose』の二つだけで、構図とポージングはかなり劇的に変わります。
どちらも文字通り、ダイナミックな動きのある構図とポージングで描きます。
この二つだけで、構図とポージングはかなり劇的に変わります。
(格好いいポーズや構図に迷える初心者の人達……聞こえますか……?
『dynamic angle』と『dynamic pose』のたった二つを使うだけで、こんなイラストが出力されます……有効活用してください……)#AIイラスト #AIart pic.twitter.com/KqO1ailewv
— かぐるな (@l_k_omote) April 19, 2023
しかもイラスト全体もダイナミックさに引っ張られて、見栄えが良くなりやすいのが特徴。
フツーに便利レベルの高いプロンプトです。
また、この組み合わせで背景を指定しない場合は、空・海・光の演出・単色または単調な色の組合せが出やすいです。
それに構図やポージングの関係上、指定しなくてもSF性が色濃く出てきます。
構図とポーズに演出(エフェクト)を加える
これだけではやや偏りがち、かつギャンブル性が強過ぎるので、演出と背景を足してみましょう。
演出(エフェクト)といえば、光が差し込んだりや炎が噴き出したりなど、場面において様々です。
今回はダイナミックで迫力あるイラストを目指していますし、あまりありきたりばかりなのも見ていて退屈。
演出は今回ちょっと凝ったもので、アクション・ペインティング風をご用意してみました。
① action painting, gestural marks, dynamic brushwork, expressive motion, spontaneous technique, abstract expressionism, energetic compositions
② action painting, gestural marks, dynamic brushwork
※ DB様のプロンプトを参照
アクション・ペインティングとはキャンバスに絵具を散らしたり垂らしたりする抽象画の一種です。
詳細はググってもらうとして、実際は絵具をぶちまけたカオスなのですが、AIが出力すると無秩序さが薄れてきちんとした迫力のある『画』になります。
今回は①を使用していますが、効き具合はモデルやプロンプトの組み合せによっても大きく異なります。
強過ぎる場合は②の方を試すか、弱めにかけてください。
これをまずは『dynamic pose』と組合せます。
ただし、背景の勢いが強過ぎるのか、一気にイラストの崩壊が加速したので、少し前提プロンプトも調整しました。
設定情報 | |
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Negative prompt | EasyNegative, (realistic, lip, nose, tooth, rouge, lipstick, eyeshadow:1.0), (dusty sunbeams:1.0), (abs, muscular, rib:1.0), (depth of field, bokeh, blurry:1.4),(motion lines, motion blur:1.4), (greyscale, monochrome:1.0), text, title, logo, signature |
Steps | 40 |
飛び散るカラーが抽象的な背景になりつつ、キャラクターの演出としても取り込まれています。
より派手で迫力のあるイラストになりましたね。
次に『dynamic angle』も加えてみます。
画としてだと『dynamic angle』の有無は好みの領域ではありますが、構図の幅が広がり、より演出感が増したなと思います。
また、先ほどよりは背景が出るようになりました。
余談として先程も説明した通り、アクション・ペインティングはモデルによっても差が出やすいです。
例えばAbyssOrangeMix2で同じプロンプトを指定したらこんな感じ。
hassakuHentaiに比べると大人しめで、多彩な色が背景に溶け込むように反映される印象が強かったです。
自然な感じで背景に色移りしているのが個人的に好みよ
では、最後に背景とキャラクターに『世界観』を与えましょう。
現在はSF感が強いので、今回はわかりやすくファンタジーにします。
アクション・ペインティングが強いため、それに塗りつぶされないよう、『fantasy』をそこそこ強調して追加しました。
SFっぽさも残っていますが、衣装デザインや背景はファンタジー感が出ています。
アクション・ペインティングは魔法演出として違和感がありませんね。
解説プロンプトを使用したイラスト&制作過程
アタシ様の通る道だ#AIイラスト #AI美少女 #AIart pic.twitter.com/HtxytujfUM
— かぐるな (@l_k_omote) April 26, 2023
設定情報 | |
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prompt | best quality,high resolution,unity 8k wallpaper, masterpiece, (1woman:1.2),solo, dynamic angle, dynamic pose,action painting, gestural marks, dynamic brushwork, expressive motion, spontaneous technique, abstract expressionism, energetic compositions,(fantasy:1.3), (wizard:1.3) ,smile, large breasts, cleavage cutout,(multicolored hair:1.3), long hair, |
Negative prompt | EasyNegative, (realistic, lip, nose, tooth, rouge, lipstick, eyeshadow:1.0), (dusty sunbeams:1.0), (abs, muscular, rib:1.0), (depth of field, bokeh, blurry:1.4),(motion lines, motion blur:1.4), (greyscale, monochrome:1.0), text, title, logo, signature |
Steps | 40 |
Sampler | DPM++ SDE Karras |
CFG scale | 9 |
Size | 512 × 786 |
Model | hassakuHentaiModel_v11 |
Clip skip | 2 |
今回は説明した範疇以上のことはあまりやらないのを前提にControlnetは封印。
ファンタジー感をある程度固定化するためにwizardを強めにして追加。
『dynamic angle』の効果でSF感は多少残るのを加味して、一般的な魔法使いではなく、もっとタイトな衣装で攻撃的なイメージ狙いです。
smileは強キャラ感を演出するために追加。
加えて、より画面映えする華やかさを加えるため、『multicolored hair』を入れました。
これは髪を多色化するプロンプトです。
髪や目の色などが他の部分に影響される現象を利用して、アクション・ペイティングの色を髪に反映させることが狙いです。
少ない時は反映されず二色程度でしたが、ガチャでそれなりの成功率って感じでした。
良い感じのものが出たので、アップスケールでサイズを二倍にして細部のクオリティもアップしました。
手が大胆に破綻していたので、i2iで手のみを再出力。
ネガティブプロンプトには、補正力は高いのだけど絵柄を激変させる諸刃の剣で有名なbad_prompt_version2を使いました。
おかげでかなりマシにはなったのですが、完全には直りきらなかったので、後は直接手直しで修正。
他にも目と髪飾りなど、細部の崩れにも少し手を入れて、見栄えを整えたら完成です。
今回は構図とポージングを重視したので順番が異なりましたが、基本的には世界観+ポージング+基本的な構図+演出(エフェクト)を意識して作るといいでしょう。
次回はAIイラストを作成するなら知っておきたい基礎知識系か、現代風景の構図について語ろうかと思います。
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