【Stable Diffusion】映える構図作りの基礎知識

前提条件

前回の格好いい構図の説明に引き続き、今回は映える構図を作る基礎知識です。

【AIイラスト】迫力ある構図とポージング作りの基礎

AIイラストはプロンプトに沿って細部は描画してくれるので、出力のために考える部分はある程度限られてきます。
大きく分けると距離感・アングル・向きの三つです。

また、例外としてプロンプト一つで、前回みたいにある程度自動でいい感じの構図を生成してくれるタイプもあります。
これらの代表的なプロンプトとその効果を中心に解説していきましょう。

今回の基礎プロンプトはこちらになります。

設定情報
prompt best quality,high resolution,unity 8k wallpaper, masterpiece
Negative prompt EasyNegative,negative_hand-neg,
Steps 28
Sampler DDIM
CFG scale 9
Seed -1
Size 512 × 786 or 786 × 512
Model Counterfeit-V2.5_pruned
Clip skip 2

ノーマル

ちなみにネガティブプロンプトのFlat2はただの入れ間違いで、特に目立った効果はありません。

距離感を操作するプロンプト

距離感の種類は大きく分けて二つ。人物を主体にするか、背景を主体にするかです。

距離感は特に指定しなければ、通常は人物が中心です。
人物を小さくして『情景の中に人がいる』という構図にしたい場合は以下になります。

設定情報
prompt panorama

ただし背景指定のプロンプトが強く効き過ぎた場合などは、自動的に背景が主体となるケースも珍しくはありません。
また、モデルの特性によってやや背景が強めに描画されるケースなどもあります。

例えば、今回使用しているモデルも、背景描画がウリなので他に比べると人物は小さく描かれやすくなっています。

そういった場合は『character focus』を使用すると、人物が強調されやすくなります。

アングルを調整するプロンプト

見上げる&見下ろすアングル

距離感の次はアングルの調整をしましょう。
これは簡単に言えば、カメラをどこに置くかで角度を調整するイメージです。

ただしアングルについては、プロンプトの強弱により距離感も調節されることがあります。

設定情報
prompt from above

カメラを上に置き、人物を見下ろす構図です。
アングル調整によって人物が遠くになってしまった場合は、『character focus』で人物を主体に調整できます。

設定情報
prompt from below

カメラを下に置き、見上げる構図です。
プロンプトで指定していないのに、スカートを勝手にたくし上げたり、逆に押さえつけて見えないようにしたポーズが多く出力されました。

発情

普段この構図がどういう意図で使用されているかお察しできますね。

設定情報
prompt from above, character focus, close to viewer

設定情報
prompt from above, character focus, close to viewer

加えて、カメラへと向かせたい場合は、『facing at viewer』を使用しましょう。
『close to viewer』もあります。

ニュアンス的には『close to viewer』はカメラ目線。『facing at viewer』はカメラに対して顔を向けるとなります。
また後者の方が効きがよくてメインに使用しています。

魚眼レンズを用いた特殊アングル

設定情報
prompt fisheye lens

こちらは特殊な構図。魚眼レンズにより像を歪ませているアングル指定です。
構図の性質上から縦向きのイラストだとやや効きづらく、何かを覗き込むような円形になるケースが多くなります。

またfishの文字に釣られて魚が混ざり込むこともあります。
ファンタジー色が強いと映り込みやすくなる傾向があるため、対策するならネガティブプロンプトにfishを含めておくといいでしょう。

人物の向きを操作するプロンプト
カメラの動かし方に対して、こちらはどの方向から人物を見るかの調整になります。
無指定なら基本的に正面からとなりますが、意図して指定したいならsymmetricalのプロンプトを使用しましょう。

設定情報
prompt side view

設定情報
prompt from side

横向きから見たプロンプト指定です。
単純に横を向かせる場合と、バストアップを中心に写す二パターンがあります。

設定情報
prompt back view

こちらは背後から。
服装を無指定だと、背中がぱっくりと開いているイラストの出力率が高かったです。

発情

美しい背中をたくさん楽しみたい性癖の方にオススメです。

単体でも完結する特殊構図プロンプト

最後に単体でも効果のある構図系のプロンプトとなります。
ただし、こちらはランダム性が高く、副産物なども多く付いてくるため注意です。
(内容によってはある程度対策が可能)

ノーマル

細かい案がなく、とりあえず良い感じのイラストを出力したい時向きとも言えますね。

設定情報
prompt dakimakura medium

最初はネタ系で抱き枕風です。
シーツの上に同じようなキャラが二人横並びになります。

ちゃんと画面右側の方が露出度も上がりやすく、わかってる感があります。
(本ブログでは健全性を考慮して、露出度は双方近いものを選んでいます)

設定情報
prompt cinematic angle

次は映画風アングル。
映画のワンシーンを画として切り取ったような構図となります。
なんとなく良い雰囲気の構図にしたい時に使えますね。

設定情報
prompt magazin cover

漫画雑誌の表紙風です。
それっぽい良い感じのポージングや構図がセットになっています。

ただ雑誌表紙風のロゴや文字がほぼ確実に入ります。
またデフォルトだと露出率が高いです。
少年~青年の週刊誌は水着グラビアが多いのでその影響でしょうか?

残り二つについてはCounterfeitモデルだとあまり向いていなかったのと、それぞれ属性が近いので比較も兼ねてモデルを切り替えています。

設定情報
prompt anime keyvisual
Model AOM3A1_orangemixs

アニメキービジュアル風の構図になります。
こちらもニュアンス的にかなりアバウトですが、何処か見慣れたアニメっぽい構図になるので扱いやすいです。

ノーマル

個人的に使いやすく、オススメ度が高いプロンプトです。

ただしイラストの下に、アニメキービジュアル特有の文字やロゴが出力されます。
ネガティブプロンプトにtextや『text,watermark,signature,username,artist name』を指定すれば削除可能。

textのみでも削除はできますが、感覚的に後者の方が確度は高いです。
ただ、ネガティブプロンプトは相互作用によって、想定外のイラスト出力になる可能性もあります。
全体のネガティブプロンプト数が多い場合はtextのみを推奨します。

設定情報
prompt movie poster style
Model AOM3A1_orangemixs

映画のポスター風です。
系統的にはアニメキービジュアルの映画ポスター版って感じで、しっかりとそれっぽい雰囲気になります。
ただし漫画雑誌風と同じく、文字やロゴが出力される可能性がとても高い。文字消しはこちらの方が困難です。

それと時々、何故か映画と言うよりスマホゲームのキャラっぽい枠が出現します。

今回の作例

今回は二枚あります。

一枚目は『ひぐらしのなく頃に』の竜宮レナです。
魚眼レンズの構図を利用してホラーテイストに仕上げました。

なお魚眼レンズ効果を出しやすくするために、まずは長方形で出力してから左右をトリミングして縦長イラストに編集しています。
Twitterで掲載するので、一番目立ちやすい縦長にしました。

狂気スマイルを作った上で、brighter-eye2をマイナス2にして、目の光を消しています。
またマイナスを強くかけた結果、周囲の雰囲気も良い感じに暗くなり、よりホラー色が強くなりました。

二枚目は、結月ゆかりさんのサイバーパンクイメージです。
こちらはアニメキービジュアルと見下ろし構図を合わせようとしたのですが、あまり上手くいかず。
ただアニメキービジュアルの方がメインになっている雰囲気で、良い感じの構図にはなりました。

ややリアル寄りかつ油絵風のAOM3Bを使用しています。
キャラ以外ではLoRAを三つ使用。

Flat2をマイナスにして書き込み量を増やして雰囲気作りをしました。
lightAndShadowで明暗をハッキリさせることによって、サイバーパンクの世界観をより強調。
背景が暗めのため、brighter-eye2で目を光らせて、ゆかりさんのご尊顔もちょっと目を引きやすくしました。

今回で構図のお話は終了です。
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