前提条件
イラストのリクエストがあったので作成してみました。
今回はその制作過程を紹介します。
(参考用に私はこう作っていますよと言う例であり、これが絶対的に正しい方法という意図はありません)
プレイヤーキャラクターとして
[クレリック]のAIイラストを求めています✨512×768
高解像度2倍
1024×1536
マジで良ければなんですけど1枚作成して頂けませんか?🧌キャラクターの名前
技名、特殊技名もあると最高です引用元: Twitter
リクエストツイートを元に以下を制作条件にしました。
・キャラクターはクレリック(RPGの僧侶風)
・技を演出するためにインパクト重視で派手さを出す。
クレリックは前に作ったものがあるので、その時のプロンプトを元に色々と継ぎ足していく形にします。
また、いつもの基礎講座と違って制限を設けていないため、今回はControlNetも使用しています。
制作過程
まずはPOSEMANIIACS様(AIイラストに利用OK)からお借りしたポージングをOpemPoseにて読み込みます。
使用方法は通常のボーンと同じで、ControlNetに画像をアップロードして、プリプロセッサとモデルをOpenPose用に指定します。
https://www.posemaniacs.com/ja/tools/viewer/poses/01GKNY0FNR76QK2CDH25Q6JG0A
プロンプトなど、他の情報は以下になります。
設定情報 | |
---|---|
prompt | high resolution,masterpiece,best quality,extremely detailed CG,Cleric, holy symbol, mace, chainmail, healing spells, divine intervention |
Negative prompt | (worst quality, low quality:1.4),out of focus, ugly, error, jpeg artifacts, lowers, blurry, bokeh, text, signature, watermark, username, artist name, stamp, title, subtitle, date, footer, header, |
Steps | 28 |
Sampler | DPM++ SDE Karras |
CFG scale | 9 |
Size | 512x768 |
Model hash | 7th_anime_v3_A |
Clip skip | 2 |
割と狙った通りのポージングになったのですが、衣装が黒いのでいまいちクレリックっぽくない。加えてちょっとインパクトに欠ける感じ。
色々と継ぎ足して調整しつつ、Flatのマイナス効果で書き込み量を増やして、エフェクトを追加。
設定情報 | |
---|---|
prompt | high resolution,best quality,extremely detailed CG,Cleric, holy symbol, (mace:1.2), chainmail, healing spells, divine intervention,large breasts, <lora:kVoidEnergy:0.7>, <lora:flat2:-0.7>, long hair, silver hair, |
Negative prompt | EasyNegative, negative_hand-neg, nsfw |
エネルギーボール的なLoRAがメイスと融合!
悪くないけど、途中からメイス二刀流が定着してきました。それと足指も変になっていきます。
エネルギーボール系のLoRAはこちらです。
https://civitai.com/models/60553/kvoidenergy
足は靴を履かせるとして、メイスが片手持ちにならないかと調整している内に、「メイスなしの方が良いポージングになるのでは?」と囁きが。
試しにエネルギーボールを掌に乗せてみたら、普通に『有り』だったので、こっちの方向性に切り替えました。
ただメイスがないとインパクトが若干弱まったので、「背景に代わりの演出を入れよう!」と思い立ちます。
設定情報 | |
---|---|
prompt | high resolution,best quality,extremely detailed CG,(Cleric:1.2), holy symbol, large breasts, |
クレリックちゃんの背後に聖なる輪っか的な何かを召喚。
衣装も白を指定したので、クレリックに見えるようになりましたね。
指が崩壊しているけど、ここはレタッチで直す前提。
(ControlNetで角度のついた向きの手を良い感じに直す方法が不明&手書きの練習も兼ねています)
これでOKということで2倍のサイズにアップスケール。
順当に高解像度化されました。指の崩壊も本格化してますけどね。
ここでついでに、細かい部分の補正も兼ねて、アップスケールしたイラストにTileをかけてみます。
TileとはControlNetにあるモデルの一つで、アップスケールとは異なる高解像度処理だと思ってください。
さらに指やその他の細部にレタッチを加えた完成品がこちら。
これはなんかすごい魔法を発動させようとしているクレリックちゃん。#AIイラスト #AIart #AIArtworks pic.twitter.com/gWRztxQuCr
— かぐるな (@l_k_omote) May 24, 2023
大きな変化は書き込み量の増加と、崩れていた背後の輪がアップスケール前を基準にして修正れています。
魔法を発動させようとしているシーンをイメージして、前提条件の派手さはしっかりと満たせたと思います。
ポージングも個人的にお気に入り。
ちなみに今回公開しているイラストは大きなターニングポイントになった重要部分で、実際にはプロンプトの調整など細かなところでかなり試行錯誤しており、最終的には100枚以上を出力しています。
私は似たようなイラストを次々と量産して投稿するより、一枚のイラストを作り込んでいくタイプなのでこうなりやすいです。
『Stable Diffusion』は多種多様な機能がありますけど、それらを活用して完成品まで至る具体的な制作過程を公開している人は、まだまだ少ない印象です。
需要があれば、今後も時折作例を公開していこうかなと思います。
リクエストも楽しかったので、今後もゆるーく募集します。
基本的に商用利用無しを条件として、ご依頼の方はTwitterをフォロー&リプでご連絡ください。